来年10月に予定されている消費増税に向けて、家作りを考えていらっしゃる方もいるのではないでしょうか?
しかし、現在福島県は、土地不足に陥っている所も多く、家作りをされている方で「土地がない!」と悩まれている方も多いと思います。
そこで今回は、意外とチェックされていない?「保留地」についてご紹介したいと思います。
目次
保留地とは?
簡単に言うと「土地区画整理事業によって作られた土地」ですが、これでは語弊があるので、もう少し詳しく解説します。キーワードは、『土地区画整理事業』です。
『土地区画整理事業』とは、宅地や道路、公園、河川などを整備し、住みやすいようにする事業のことです。
こういった事業を都道府県や市町村、土地区画整理組合、区画整理会社などが行います。(この他にも施工者はいます。)
そして、この事業後に土地所有者に割り当てる「換地処分」を経て「換地」という土地が出来上がります。この換地は、事業前とだいたい同じ状態(大きさ、位置、土質など)の土地を割り当てられます。(照応の原則)
※「換地」や「換地処分」の詳細については、また今度。
この「換地」とは別に、「換地」を行わず、区画整理事業者の土地とするものがあります。それを『保留地』と言います。
なぜ、「保留地」があるのか?
それは、『土地区画整理事業』を行う為には多くの費用が掛かります。上記の『土地区画整理事業』の目的を遂行していく為に、万が一資金が必要になった時の為に、「保留地」という土地を作り、それを売却することで事業資金を作り出すことが出来るようにしているのです。
保留地のメリット・デメリットは?
保留地のメリット・デメリットで一番大きな要素をご紹介します。
「メリット」
・土地価格が安いことが多い
郡山市の最近(2018年8月時点)の保留地販売では、そのエリアの土地価格相場に比べて、半額近く安い保留地が出ていました。
「デメリット」
・ローンが組めない金融機関がある
保留地は、区画整理事業が終了するまで登記が出来ず、所有権も抵当権も設定できません。その為、保留地でローンを組めない金融機関があります。ですので、もし、購入する場合は、金融機関へのお問い合わせをしておくことをお勧めします。
これらの他にも、「仲介手数料が掛からない」や「土地の形や性質が整っている」、「数年経たないと売却できない場合がある」「事業完了時に土地代金の残金支払い(購入時に○○%、事業完了時に残金〇%を支払うなど)を行う場合があり、その残金はローンに組み込めない」などのメリット・デメリットもあります。
保留地は穴場?
保留地は、基本的に上記のメリットもあり、人気がありますが、保留地が売りに出されていることに気づかないことがあります。
というのも、土地と言えば、不動産屋さんか工務店・ハウスメーカーで探すことが常な為、自分でアクティブに動き出さない限り、保留地という存在になかなかたどり着きません。
また、市が売りに出す保留地は、市のHPの情報量が多く、情報を探しにくいこともあり、「そんな土地出てたんだ」と抽選日後に気づくことがあります。そんなこんなで、抽選会に参加する参加者が「え?これだけ?」という時もあります。
さいごに
一生懸命土地を探している方は、不動産屋さんやハウスメーカー、工務店さん以外にも、市役所や土地区画整理組合のHPを覗いてみると掘り出し物の土地が見つかるかもしれません。
ただ、上記にも示したように、保留地にはメリット・デメリットがあるので、依頼先の不動産屋さんや施工会社さん、設計事務所さんなどと相談しながら進められることをおススメします。