先日起きた新潟での地震もそうですが、最近地震が多くなってきているような気がします。8年が経過する東日本大震災は、まだまだ記憶に新しく、地震があるたびにあの時の記憶が頭をよぎります。
今回は、そんな地震に耐えられる家にする為のリフォームについて、ポイントを少しご紹介したいと思います。
目次
耐震性能のある家かどうか
耐震を考える上で、簡単な指針の一つとして挙げられるのは、昭和56年以降に建てた建物であるか否かです。
昭和56年は、「新耐震基準」が施行された年となります。
この「新耐震基準」は、技術的な部分は割愛しますが、「建物内にいる人の生命を守る」ことに主眼が置かれ、以前に比べ格段に耐震性能を向上させる法律になっています。
阪神淡路大震災でも、新耐震基準に則った建物は、大きな被害が少なかったという報告もあるほどです。
昭和56年以前の建物でも、もちろん地震に強い家もあり、一概に言えない所ではありますが、判断材料の一つとしては大事な要素となります。
屋根
地震で屋根?と思われる方もいらっしゃると思いますが、実は、屋根の素材によって、揺れた時の力の掛かり具合が変わってきます。
簡単に言えば、『頭が重ければ揺れに耐える力が増す』ということです。
当然のことですよね。
屋根には色々な種類があります。
日本瓦、ガルバリウム鋼板、トタンなどなど、それぞれ素材が違ければ重さも違い、屋根の面積が広ければ広いほど、その重量は増していきます。中でも、日本瓦は重い部類となります。(半面、耐用年数が長かったり、重厚感が出たりとメリットももちろんあります。)
ただ重い屋根がダメというわけではなく、しっかりと揺れに耐える為の構造が検討され、施工されているか?が重要となってきますので、心配な方は竣工図を持って、専門家にご相談されることをおすすめします。
耐力壁
耐力壁とは、一言で言えば、『家を支える壁』です。
この耐力壁は、間仕切壁とは違い、壁の中に『筋交い』や『合板』などが入っている強い壁なのですが、この耐力壁がただ強いだけでは、耐震性は得られません。
耐力壁が、バランスよく配置されていることも大切な要素です。
図のように、『量』と『バランス』が、しっかりと検討されていなければ、弱い壁の方からねじれが生じてしまい、倒壊などの被害に繋がる可能性があります。
この確認も竣工図があれば、専門家の方に相談することができます。
竣工図
ここまでで、何度か出てきたこの『竣工図』。本当に大切な書類です。
『竣工図』とは、工事中に発生した変更等も入れて修正された『竣工した建物』の図面のことで、実際に建った建物の情報が入っている為、リフォームやメンテナンスの時には大変重要な役割を果たしてくれる図面となります。
ですので、リフォームやメンテナンスなどをお願いする際は、この竣工図を探して持っていくことをお勧めします。そうすることで、適切な工事をしてもらいやすくなり、また、竣工図がない時と比べ、必要な現地確認が減ったり、予期せぬ工事の発生を抑えることもできるので、予算の節約にも繋がります。
最後に
今回ご紹介したポイントの他にもポイントはありますが、耐震リフォームを思い立ったら、ご自身の家が『昭和56年以降の建物であるかどうか』『竣工図があるかどうか』を確認するだけでも、相談に行った時にスムーズに話しをすることが出来ます。
家族の命を守るための役割をちゃんと担ってもらう為にも、この二点はしっかりと確認しておく事をお勧めします。