こんにちは、君島です。
建築関連雑誌やネット上でたくさん紹介されている情報で、すでにご存じと思われる基本的な情報ですが、設計の入口となる重要なポイント2点について、改めてまとめました。
目次
1.敷地環境
①方位
②太陽の動き、気候、風向き
③敷地の平面形状、断面形状
④道路の位置
⑤隣家の位置、開口
・①、②、③:自然環境をうまく利用するための情報。
・④、⑤:住宅の外からの見え方、内からの見え方・建物へのアプローチを考えるための情報。
・時間帯による敷地環境の変化を知ること。異なる時間帯に訪れ、朝・昼・夜の状況を観察。
・可能であれば季節毎での変化も知っておくと、更に敷地の特徴を把握できますので役立ちます。
これらの情報は法的規定(*1)とは別に、それと同等に重要なポイントです。
余談ですが個人的に好きな、スイス人建築家ピーター・ズントー氏が、雑誌カーサブルータス(2003年12月号)のインタビューで「建築を創造する際に、最も重要な要素は何でしょうか」との問いに「場所と用途だ。すべてがそこから始まる」と答えています。
厳しい敷地条件でも考え抜くことで、その敷地の特徴を活かした、その敷地ならではの住宅ができます。その意味でも、たくさんの敷地環境情報が必要となります。
(*1):防火性や用途地域による制限(都市計画等の地図)、その他
2.暮らし方
夢や理想の断片的で曖昧なイメージのかたまりは、そのまま関連付けていくと矛盾が生じ、一貫性がなくまとまりのない住宅ができてしまいます。
まず、どのように暮らしたいかという住まいに対する考え方を明確にすることが重要です。
判断材料として、たくさんのイメージやアイデアをだすことは大事です。
それを整理し本当に必要で望んでいるものは何なのかを考え抜くことで、余分なものがなくなり、建てるべき住宅の本質が見えてきます。そうして、その「家族」のありかたや特有の住まい方を実現する住宅ができます。
毎年のように法律が変わり、新しい工法や建材・設備がたくさんでてきて日々進化していく中、新築した建物でも性能や設備は年々古くなっていきます。建物が古くなっても、その住宅がどのような考えで造られたか、いかに自分たちに合った住宅であったかを思い出したり、あるいは今の自分に合った生活ができているかを振り返ったり、一度じっくり考えてみる事も必要かもしれません。
他にもたくさん考慮すべき項目がありますが、以上の2点のポイントは設計において、入口となる基本です。迷った時には、立ち戻って本質を見極めて下さい。
参考図書
「世界で一番美しい建築デザインの教科書」
著 者:鈴木敏彦 松下希和 中山繁信
発行者:澤井聖一
発行者:株式会社エクスナレッジ